4月24日(ブルームバーグ):日本生命保険は2012年度の運用計画で、1兆5000億円を見込んでいる増加資金のうち、7割程度に当たる1兆円超を国内債券に振り向ける方針だ。欧州危機を背景とした世界的な金利低下など厳しい運用環境が続く中、安定的に利息収入が得られる円金利資産を中心に積み増す。
財務企画部の松永陽介部長が23日記者説明した。国内債運用ではコスト割れ水準に金利が低下した際は購入を停止するなど「メリハリの効いた対応」をとっていると説明。デュレーション(平均残存年限)は「結果として延びている」と長期化の傾向を明らかにした。今年度は10年国債金利で1.2%程度への上昇を見込んでいる。
社債などクレジット資産の運用では「リスク分析モニタリングは従来通り慎重に行う」考えを表明。一方、一般貸し付けは企業の資金需要に応じ、金利水準などの条件を吟味しながら融資を実行して残高を数百億円増やしたい意向だ。11年度はこれら国内債券の残高を1兆4900億円、一般貸付を300億円積み増した。
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外国債券の運用では、為替リスクを回避(ヘッジ)するヘッジ付きについては、「国内金利や各国の政策金利の動向に応じて機動的に配分する」方針。今後の経済や市場情勢を踏まえ、国内債券との金利を常に比較するなど注意深くモニアリングしながら取り組むという。11年度は残高を3800億円増やした。
ヘッジしないオープン外債の残高は基本的に横ばいとする。ただ、円高進行など「良いタイミングがあれば、前年度に減らした分を戻したい」という。市場の環境次第ではオープン外債の代わりにヘッジ外債を積み増す可能性もあるという。11年度は年度末に円安に振れたことなどから4100億円圧縮した。
新興国株へ投資内外の株式は「個別銘柄ごとに成長性、株主還元の状況に着目し、中長期的な視点で運用収益向上の観点から引き続き取り組む」考えだ。国内株式は残高を維持する。一方、外国株式は1000億円レベルで積み増し、「過半を新興国株に充てたい」と積極的だ。11年度は国内株の残高を300億円削減、外国株を2900億円積み増した。
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不動産投資などによる運用残高は横ばいとする見込み。個々の案件ごとに優良物件があれば柔軟に対応する。既投資案件に改装などを加えるリニューアル投資は継続する計画だ。11年度はリニューアル投資を実施した結果、残高を400億円増やした。
12年3月末時点での同社の一般勘定資産は48兆9000億円。そのうち国内債券は44%、ヘッジ付き外債11%、国内株式12%、オープン外債5%、外国株2%、貸付金16%、不動産4%などとなっている。
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大手生保の2012年度運用計画一覧 =============================================================== 資産 国内株 国内債 外株 外債 残高 オープン ヘッジ --------------------------------------------------------------- 日生 横ばい +10000超 +1000 横ばい 横ばい 第一 N/A N/A N/A N/A N/A 明安 減少 +5000 増加 +約2000 +約5000 住生 相場睨み 純増 慎重に 相場動向を睨み つつ対応 取組む 機動的に運用 =============================================================== 予想 10年国債 日経平均 米国10年債 NYダウ --------------------------------------------------------------- 日生 1.2% 10000 N/A $14000 0.90%-1.50% 8500-11000 N/A $12500-$15500 第一 N/A N/A N/A N/A 明安 1.2% 11000 2.6% $14000 0.90%-1.30% 8700-11500 1.70-2.90% $11750-$15000 住生 1.2% 10800 2.6% $13800 0.80%-1.50% 8600-12100 1.70-3.20% $11400-$14600 =============================================================== 予想 円/ドル 円/ユーロ --------------------------------------------------------------- 日生 80 105 75-85 95-115 第一 N/A N/A 明安 87 117 78-90 98-125 住生 85 112 75-95 90-120 =============================================================== ※資産残高の増減の単位は億円 ※表内の予想は上段が2013年3月末予想、下段が2012年度予想レンジ
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