労働生産性は、労働を投入量として産出量との比率を算出したもので、労働者1人あたり、あるいは労働者1人1時間あたりの生産量や付加価値で測るのが一般的です。労働生産性は、国民経済全体でみた生産性と、特定の産業、業種、企業の生産性とに分けられます。
社会経済生産性本部(理事長:谷口恒明)は2006年版「労働生産性の国際比較」をまとめました。この調査は同本部が経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国を対象に毎年実施しているもの。最新の統計である04年の各国の国内経済生産(GDP)や就業人口などから労働生産性を算出。国別に購買力平価を用いて付加価値を調整(04年は1ドル=133.72円)しています。
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04年のわが国の労働生産性は、59,651ドル(798万円/購買力平価換算)で第19位、主要先進7カ国の中では11年連続最下位。第1位ルクセンブルグ(90,683ドル/1,213万円)、第2位米国(83,129ドル/1,112万円)の約66%の労働生産性です。昨年(03年/56,719ドル)より2,932ドル(5.2%)も向上したものの、順位は変わりませんでした。
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わが国製造業の労働生産性水準は78,680ドル(887万円:対前年比7.5%増)で、主要先進7カ国でみると米国に次ぐ第2位(総合3位)で「失われた10年」からの脱却が鮮明になりました。トップはアイルランド(148,811ドル/1,678万円)で、わが国の約2倍です。就業者数の減少は生産性向上のプラス要素となりますが、わが国の製造業は景気が回復局面に入った02年以降も人員の減少が続いており、これが寄与したといえるでしょう。
逆に主要業種の中で最も伸び悩んでいるのはサービス業。2000年を1とした04年の労働生産性指数は、製造業が1.154であるのに対し、サービス業が1.007で、同期間でわずか0.7%しか伸びていません。雇用の受け皿とも いえるサービス業の生産性の伸び悩みが問題ともいえます。
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2000年以降のわが国の実質労働生産性上昇率は年率平均1.65%で、主要先進7カ国中第2位、OECD加盟30カ国中15位。90年代後半(1995〜1999年)が0.46%(主要先進7カ国中最下位)だったことからすれば、大幅な改善をみせています。しかし、同時期の米国は2.39%と主要先進7カ国でトップであり、日米間の生産性格差は依然として拡大する傾向にあります。
わが国の就業人口は、製造業とは逆にサービス業は一貫して増加傾向にあります。情報サービスや医療・福祉、教育、レジャー・観光などの分野は新たな雇用を生み出すものの、生産性の高い製造業からサービス業への就労者シフトが進めば、国全体の生産性を低下させます。人口減少時代に入ったわが国では、生産性を向上しない限りこれまでの経済規模は維持できません。その意味でもサービス業の生産性向上が今後、大きな課題になってくると見られるでしょう。
注:グラフ単位:購買力平価換算ドル
(掲載日:2006/12/22)
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